高橋淳、上保晃平、宮坂奈津
28日午前3時45分ごろ、千葉県松戸市古ケ崎3丁目の木造2階建て住宅で「かなり火が出ている」と近隣住民から119番通報があった。消防車15台が出動し、火は約4時間半後に消し止められたが、近隣の民家6棟にも延焼し、計6棟が全焼、1棟が一部焼けた。
松戸市消防局などによると、通報の対象となった民家の焼け跡からは50代とみられる身元不明の女性1人の遺体が発見され、この家にいた50代の男女2人も搬送された。搬送された女性は全身にやけどを負う重傷という。
道路の突き当たり、密集した住宅
現場はJR北松戸駅から西に約1・3キロの住宅街で、道路の突き当たりに住宅が密集する形となっている。近所の50代男性は「道が狭く、消防車が入りづらかったのではないか。火の勢いが強く、一刻も早く消火してほしいと祈るような気持ちでいた」と話した。
近くに住む大学生の鈴木萌さん(19)は、午前4時前に鳴り響くサイレンの音で目を覚ました。「部屋の窓から大きな煙と赤い光が見え、一気に目が覚めた」。様子を見に外に出ると、火は数軒先の家まで燃え移りそうな勢いで燃え、火の粉が家の前の道路まで飛んできたという。
現場近くに住む50代主婦は「電線を通じて向こうの家に火が燃え移っていくのが見えた」と話した。
専門家「電線たどって火が移る場合ある」
火災の出火原因などを調べる民間機関、法科学鑑定研究所の冨田光貴研究員は「火事が屋外の電線に燃え移り、何らかの原因によって電線から漏電があった場合に、電線をたどって周辺に火が燃え移る場合もある」と話した。
銚子地方気象台によると、松戸市に近い我孫子市の風速は28日午前4時時点で西北西の風1メートルだった。(高橋淳、上保晃平、宮坂奈津)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル